2012年12月27日木曜日

Fröhliche Weihnachten


今年の10月1日はまだ暑くて、私はたしかノースリーブを着ていたとおもう。
その日はなんとなく早い時間に登校して、まだ誰もいない廊下を歩いてタバコを吸おうと建築科のバルコニーの扉を開けると、ブロンドの髪の男の子が座って本を読んでいた。少し若い。

驚いた顔で3秒目が合い、ぎこちなくありふれた世間話をする。
「暑いね、日本にはいつ?」
「私はもう24だけど、私はきっと君にはすごく若く見えるんだろうね。」
欧米系の人とのお決まりの会話。
彼はその日からの留学生で、誰もいない校舎で迷子になっていることがわかり、困ってるならもっと早くいいなよ!と思いながら教務の人につないであげた。

もうあれから3ヶ月経つのかと思うと早過ぎて吐きそうだ。ぼうっとしているとあっという間にばばあだ。ばばあになりつつあるその間に、彼は私と同じアメスピを吸うようになった。

まるで躾の行き届いたゴールデンレトリバーのようだなぁ。と他人事にしか思っていなかった。フリスビーをキャッチして、褒めてほしくて、まっすぐに私を見るようなまなざしに少々当てられていた。彼の言う所の、smartだとかbeautifulの意味するものを深く考えるのも億劫だ。

でも、クリスマスプレゼントの包み紙にわざわざ筆で書いたという、へたくそなカタカナを見て、日本語のテキストを見ながらなぜか墨汁まで用意している姿を想像して、ふいた。出会った日、日本語なんて世界で一番難しい、覚えなくてもいいかな。なんて言ってたのに。


「クリスマスにはなぜか我が家みんな集まって演奏するんだよ、母がリコーダー、祖父がピアノ。」

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