2012年9月23日日曜日

a lack




父が単身赴任してから、我が家では私と母の女二人暮らしで、
夜中まで韓国ドラマを見たり、レイトショーで映画を見に行ったり、
昼まで寝て温泉に行ったり、船で島に旅行に行ったり。
私はひとり海に潜り、母は海岸でそれを眺め、
私の運転する車で山のてっぺんにある牧場で、牛を見たりした。
御飯なんて適当に食べて、二人でだらだらと過ごした。

こういう感じは、吉本ばななの哀しい予感、主人公とおばの過ごし方に似ていて、まるで現実味を帯びていない夏だった。思い返してみてもぼんやりとしていて、いつどこで何をしてどういう風に感じた!というくっきりとした思い出はない。
旅をしていても、家でだらだらと過ごしていても、時間の区切りはなく、母と過ごすこういう夏は、多分二度とないだろう、ということだけはわかる。


季節が変わって秋。雨の振り方で少し我にかえった。
まだピントは合わない。
何も頑張らない時間。が長く続けば続く程、毎日は鈍く、どんどん苦しくなる。


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