2012年5月22日火曜日

日食マスク

今日は金環日食で、前日の夜から世の中がお祭りムードだった。
私は、幼馴染みたちと車でセブンイレブンを虱潰しにはしごするも、日蝕グラスは手に入れることが出来ないまま、肩を落として夜中に帰宅した。


「圭子、お父さんの溶接マスクで見なさい。」
朝、父に起こされた。

普段は布団でぐずぐずしているくせに「その手があったかーーー!!!!」と叫んで飛び起きた。すぐに父はトラックに乗って仕事に行った。

「お母さんが思いついたのよ!溶接マスク〜!溶接マスク!!ってお願いして、置いて行ってもらったのよ!そしたら、お父さんが俺もこれで見ようと思ってたのに!って。全く日本は平和だね〜〜日食ぐらいで!ってヘソ曲げて現場行ったわよ!」


母と二人で「お父さんどうしているだろうね。」と話しながら、一つのマスクを交換しながら一部始終を見た。犬もなんとなく興奮しているようにみえた。
プロポーズするひとだとか、わざわざ時間を合わせて結婚式するひとだとか、確かにそんな気にもなるほど奇麗だった。


深夜に帰宅して、「お父さんどうしたって?」と母に尋ねると
「それがね、ちょうどいい時間に現場に着いたんだけど、みつおじさん(父の弟。一緒に仕事をしている)も溶接マスクをあてにしてたんだって、でも一つしかないでしょう?置いてきちゃったよー。って諦めそうになってたんだけど、ふと気づいたらね、現場の隣が、たまたま溶接工場で、溶接マスクがずらずらずら〜〜!ってあるんだって!「フェンスやさーん!これで見なよ!」って貸してくれて、ばっちり見られたんだって!こんなことってある?」

夜中に二人で大笑いして、今これを書いている。
なけなしの溶接マスクを娘にあげてしまって、でもその結果わらしべ長者?、隣が溶接工場だったなんて。
私がお父さんのマスクで見たリングは奇麗なみどりだったよ。
お父さんのはどうだった?

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